CO2回収技術とは? 仕組み・メリット デメリット

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要素技術 詳細解説編その1です。地球温暖化を解決する直接的な手段として
「大気からCO2を回収し除去する」ということは誰しもが思いつくことです。

この技術のうち、CO2を回収する技術はどんなものなのでしょうか? 
メリットデメリットは? これについて分かりやすく解説します!

この記事で解決できる内容          

「今主流の」CO2回収技術の仕組みが知りたい
・メリット デメリットを知りたい      
・取り扱い企業を知りたい          

1.CO2回収技術の仕組み

まずCO2回収技術については、下記の種類があります。

  • 化学吸収法
  • 酸素燃焼法
  • 物理吸収法
  • 膜分離法

この中で、現時点で国内企業にて商業化されているのは主に化学吸収法となります。
※膜分離法については2019年より日揮・日本ガイシ共同で実証実験中。

化学吸収法のメカニズムについて

化学吸収法のメカニズム
1.CO2を含んだ排ガスに、アミン水溶液を反応させて結合させる。
2.アミン炭酸塩を130℃程度に加熱し、CO2を脱離させる。


2.でCO2を脱離させたアミン液はまた冷却して1.に戻り、その繰り返しになります。
上記の化学式(引用元:環境省資料)
1.2R-NH2+CO2⇔R-NH3++ R -NH-COO
2.R-NH2+CO2+H2O⇔R-NH3++ R -NH-CO3-
環プロさん
環プロさん

このプロセスを簡単に図解したのが下図になります!
勿論、アミン液や冷却水は駆動力なく循環しないので、各ループにはポンプ等がありますが省略しております。

2.化学吸収法のメリット、デメリット

メリット
1.燃焼排ガスに適用可能
  →常温・常圧、かつ低濃度CO2に適用できる。装置の後付けが可能。

2. 装置構造が比較的シンプルで、大容量の回収に適する

3. 再生温度が130℃程度と、比較的低温である
  →利用後の排熱などのカスケード利用が可能

デメリット
1. 再生熱源(蒸気)を要するため、この脱炭素化を図らないと回収装置の意味がない
  ※評価手法として、熱消費原単位(GJ/tCO2)があり、低いほど優秀なシステム。

2.アミン液の劣化
  →反応性(CO2回収速度)と劣化速度は一般的にトレードオフの関係となる
  各社、優れたアミン液の開発競争が進んでいる
環プロさん
環プロさん

ここで挙げているデメリットのうち、「再生熱源」について
130℃程度の加温で済むため、下記の解決策が考えられます!

再生熱源について(デメリットの回避策)

  • 発電所/工場の排熱回収、低圧蒸気の回収(カスケード利用)
  • 蒸気源としてバイオマスボイラを利用する(CO2フリー熱源)

※他、蒸気発生HPや太陽熱利用(熱媒に高沸点材を使う場合)などもなくはないですが、いずれも普通に考えて容量が足りず、コスト的にも非現実的になると思われます。

再生熱源の蒸気を作るのに、通常のボイラなどで化石燃料を焚いてCO2を出してしまうと、システム全体としてCO2回収装置の意味がなくなってしまいます。

導入検討する場合は再生熱源の脱炭素化を検討する必要があります。
そのため、これまでに無駄にしていた熱源からの排熱利用や、バイオマスボイラなどのCO2フリー熱源を活用することが必要です。

3.取り扱い企業について

化学吸収法については、日本企業が多く参入しており、期待できる分野になっております。
管理人注記※足りない場合や間違いがある場合、是非ご指摘願います。

・三菱重工株式会社(三菱重工エンジニアリング株式会社)

KM-CDR Process(三菱重工HPリンク)
※関西電力株式会社と共同開発

・東芝エネルギーシステムズ株式会社

CO2回収技術HP(東芝エネルギーシステムズHPリンク)

・株式会社IHI

IHI技報より(IHI技報 Vol.59 No.2 2019)

・日揮HD株式会社

高圧再生型CO2回収(HiPaCT🄬)プロセス(日揮HDHPリンク)

・日鉄エンジニアリング株式会社

省エネ型二酸化炭素回収設備(ESCAP🄬)(日鉄エンジニアリング株式会社HPリンク)

・JFEエンジニアリング株式会社

CO2分離回収プロセス(JFEエンジニアリング株式会社HPリンク)

・日立製作所株式会社

ニュースリリース(2013年11月21日)(日立製作所HPリンク)

4.まとめ ~CO2回収技術の今後は?~

CO2回収技術についてご紹介いたしました!
今後も、CO2の回収についてはパリ協定やSBT目標達成、ひいては
2050年のネットゼロ(CO2排出量が実質ゼロとなる)社会実現に向けて非常に重要な技術です。

しかし、課題としてはコスト・エネルギーの調達元などもありますが、回収したCO2の利用法、つまり出口戦略が最も大きな課題であると考えます。

これはカーボンリサイクルの話ですが、CO2からプラスチックなどの有価物を合成したり等、実用化に至っている技術はあるものの(また記事にしたいと思います。)…

現在はEOR(石油増進回収法)が大規模に回収CO2を処理できる方法としてメジャーなもので、これは石油が出なくなった老朽油田にCO2を突っ込んで石油を絞りながら、CO2は地下に貯留される方法です。
もちろん、一部の石油関係企業しか扱うことが出来ません。油田なんか普通の会社はあるわけないですから。

大規模に回収したCO2を固定化できる安価・省エネな技術こそ、温暖化対策のキー技術の一つです。
そのあたりの技術動向もウォッチしていきたいですね!ではまた。

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